マルタ共和国で家を借りるコツを伝授!家賃相場から注意点まで、実体験をもとに紹介

マルタ共和国 バルータベイの画像 生活情報

マルタ共和国に長期滞在するけど、アパートメントやフラットなど不動産(賃貸物件)の探し方はどうすればいいんだろうか?と不安な方も多いかと思われます。

実際にマルタ共和国で生活をし賃貸物件を契約した身からしても、最初はかなり不安でした。

当記事では、家探しのコツから注意点まで実体験に基づいた情報を網羅し、筆者がマルタ共和国移住当初に知りたかったことについて紹介しています。

関連記事:マルタ共和国の基本情報について解説 言語や物価から観光地まで

評判が悪い?マルタ共和国での賃貸物件探し

悩んでいる人の画像

マルタ共和国に在住している日本人と情報交換をしていると「在住者がマルタ滞在生活において、もっとも神経をすり減らす瞬間」が、この賃貸物件探しであることが分かります。

「パートナーに不動産まわりのことは任せている」「当たり物件を引き、毎年契約を更新している」などといった方々を除き、毎年(契約によっては半年)おきにやって来るストレスフルなイベントと化しています。

どうやらマルタの住宅事情は国際的な評価もあまり芳しくないらしく(※大富豪が節税対策として購入する場合などは除く)、不動産に関する法整備なども、その他先進国に比べかなり遅れているようです。

そんなマルタ在住者ですらストレスを感じる物件探しだけに、初めての方にとってはやや難しい作業となるかもしれません。

そんなあなたのために5%でも10%でも不安を和らげ、物件探しに貢献できるよう当記事を執筆いたしました。

マルタ共和国の物件のタイプ!アパートメントやシェアフラットなど

マルタ共和国で賃貸用の不動産を探す際、主に以下の3つの物件タイプの中から選ぶことになるかと思います。

  1. アパートメント:日本で言うところのマンション。
  2. スタジオ・アパートメント:日本で言うところのワンルームマンション。
  3. シェア・フラット:日本で言うところのシェアルーム。複数名でシェアするタイプの物件です。キッチンや冷蔵庫、リビングルームが共有。ベッドルームは個々人別で、トイレ・シャワーもそれぞれ個人の部屋に備わっています。

家族連れやパートナーのいる方、1人でのびのびしたい方は「アパートメント」。

1人暮らしで節約もしたいけど、他人と共同生活するのがキツいと感じる方は「スタジオ・アパートメント」。

学生時代に経験した寮生活が楽しくて仕方がなかったような、他人とワイワイするのが好きな方は「シェア・フラット」がオススメです。

マルタ共和国の地域ごとの家賃相場

当然のことながら、家賃相場は地域ごとに異なります。

ここでは、マルタ共和国の中心部に位置し、日本人にも人気の高い5つの選択しました。

※首都・バレッタはマルタの中心地から離れているため除外。

関連記事:マルタ共和国の治安ってどうなの?在住経験とデータをもとに解説

①セント・ジュリアン

マルタ共和国|セント・ジュリアン
タイプ価格帯(ユーロ)
アパートメント700~
スタジオ・アパートメント600~800
シェア・フラット400~700
※時期によって異なります。

マルタ共和国でもっとも栄えているのが、このセント・ジュリアンです。

オフィスビルから歓楽街(クラブ街)まで揃ったにぎやかな街。

物件の価格帯が最も高い地域です。

②スリーマ

マルタ共和国|スリーマ
タイプ価格帯(ユーロ)
アパートメント700~
スタジオ・アパートメント600~800
シェア・フラット400~600
※時期によって異なります。

セント・ジュリアンの隣にある地区「スリーマ」。

セント・ジュリアンの中心地まで徒歩15分~25分ほど行ける地域ながら、比較的落ち着いた地域で暮らしやすいです。

非常に人気の高い地域で、家賃はセント・ジュリアンとほぼ同じ。

夏場はビーチでくつろぐ観光客で溢れかえります。

③シウィーイ

タイプ価格帯(ユーロ)
アパートメント650~
スタジオ・アパートメント550~700
シェア・フラット350~600
※時期によって異なります。

シウィーイもセント・ジュリアンに隣接(中心地まで徒歩10分~20分)している閑静な住宅街。

海からは若干、離れています。

筆者の知る限りでは、若い東欧系の女性の友人が多く住んでおり、逆に日本人でこの地域に住んでいる人は知りません。

④グジラ

マルタ共和国|グジラ
タイプ価格帯(ユーロ)
アパートメント650~
スタジオ・アパートメント500~700
シェア・フラット350~600
※時期によって異なります。

グジラはスリーマの隣にある地域。

ここは家族連れから、若い女性まで幅広い層から人気の地域です。

数十年前は治安の悪い地域だったそうですが、現在は変貌を遂げ住みやすい街となっています。

セント・ジュリアンの中心地からは徒歩20分~40分くらいです。

⑤エムシーダ(イムシーダ)

タイプ価格帯(ユーロ)
アパートメント600~
スタジオ・アパートメント450~650
シェア・フラット350~600
※時期によって異なります。

エムシーダ(イムシーダ)はグジラの隣にある街。

男女問わず、独身の若い人が住んでいるイメージがあります。

マルタ人からもオススメされることの多い地域です。

マルタ共和国での賃貸物件の探し方

マルタ共和国で賃貸物件を探す際には、基本的に2つの方法があります。

第1に、エージェントを使って物件を探す方法。

第2に、エージェントを使わずに物件を探す方法です。

前者の場合は仲介手数料が取られるものの、効率よく確実性の高い物件探しができます。

それに対して後者は、仲介手数料がかからないものの、物件探しが難航する可能性があります。

①マルタ共和国で賃貸物件を探す:エージェントを使う場合

QuickLets」はマルタ共和国の不動産エージェント最大手の企業。

エージェントを使用することを厭わないのであれば、活用することが望ましいです。

エージェントを活用するメリットは以下の通りです。

  • 効率よく物件を見つけることが出来る
  • トラブルに巻き込まれにくい

逆に、「エージェント・フィー(家賃0.5ヶ月分)」を払わなければならないというデメリットも存在します。

※物件契約時に支払う必要のある初期費用に関しては、後述してあります。

②マルタ共和国で賃貸物件を探す:エージェントを使わない場合

エージェントを使わない場合は、基本的にはFacebookで探すことになります。

エージェンシーを使わなければ、当然のことながら仲介手数料を取られることはありません。

筆者もFacebookを用いて物件を探した経験がありますが、顧客を獲得するための「釣り物件」がかなり多く、結局エージェントが出てきてエージェント・フィーを取られることになる可能性もあります。

Facebookで物件を探すのは、上級者向けかもしれませんね。

【最重要】物件内見時の注意したいポイント6点

①グラウンドフロア(日本の1階)や、地下は避ける

マルタ共和国は基本的に水捌けが悪く、雨季になると頻繁に洪水が発生します。

建物によってはグラウンドフロア(日本の1階)や地下の物件は、雨が降るたびに部屋中が水浸しになるところもあります。

QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が下がること間違いなしなので、極力避けたいです。

②大家の人間性

大家の当たりはずれが、とにかく激しいのがマルタ共和国です。

とにかくケチな人が多い印象で、何かと理由をつけて家賃の値上げをしてきたり、水道光熱費をちょろまかして少しでも多くの収入を得ようとする輩もいます。

また、悪い人ではなくても、のんびりした大家だと入居後の水道光熱費における契約形態の変更手続きを忘れていて、莫大な請求がくることもあります。

これに関しては筆者も体験済みで、2ヶ月の水道光熱費が300ユーロ(約4万5,000円)を超えたことがありました。

※水道光熱費の契約形態の変更手続きについては、後ほど詳しく説明いたします。

マルタ共和国在住の日本人だと、大家の人間性が素晴らしいという一点の理由から、多少物件に不満があっても契約更新する場合があります。

それほど、マルタ共和国では信頼できる大家を見つけるのが大変だということです。

内見時の短時間で大家の人間性を見極めるのは極めて難しいですが、差別的な態度が見受けられたなどといった場合には、例え魅力的な物件でも契約しないことをオススメします。

関連記事:【マルタ共和国】日本人に対する人種差別はあるのか?口コミや実体験をもとに紹介

③水道光熱費についての確認

電柱の画像

内見時に確認したいことの1つに、水道光熱費まわりの確認作業があります。

以下の3点は必ず確認したいポイントです。

  • 水道光熱費の支払い方法(先払いの場合は過不足があった場合の対応も詰めておく)
  • 該当物件使用者の直近の水道光熱費はいくらだったのか確認(ちょろまかしを防ぐ)
  • 入居後、すぐに水道光熱費の契約形態を「Domestic(ドメスティック)」から「Residential(レジデンシャル)」に変更することの念押し

マルタ共和国の水道光熱費は「Domestic(ドメスティック)」と「Residential(レジデンシャル)」の2つの契約形態に分かれています。

・Domestic(ドメスティック):空き家の状態での契約形態。借り手が付かず、電気や水道を使う予定がない場合に、この契約手続きを行います。使用しなければ、水道光熱費はタダ同然。しかしながら、空き家契約(Domestic)の状態で日常生活を送ると、莫大な水道光熱費の請求がきます。

・Residential(レジデンシャル):人が居住している状態での契約形態。固定費がやや嵩むもため、空き家の状態だと損をする。

以上の3点は極力、内見時に確認するようにしましょう。

また、これらの知識を披露することにより、「この人はマルタの不動産事情に精通しているんだな」という印象を与えることができ、ナメられずに済みます。

ちなみに、マルタ共和国の水道光熱費は、日本に比べて割高です。

というのも、マルタ共和国には川や湖が存在せず、水道水はすべて海水を濾過したものを使用しているからです。

また、マルタ共和国はエネルギーもそのほとんどを外国からの輸入で補っており、電気やガスも割高です。

水資源が豊富にあり、火力発電所や再生可能エネルギー発電所、原子力発電所などを多数保有する日本と同じ感覚で水や電気を使用すると、マルタ共和国ではおおよそ1.5倍程度の料金となります。

④エアコンはついてるか

マルタ共和国の夏は暑く、エアコンが必需品であることは想像に難くないと思われます。

しかしながら、想像に反して冬は湿度が高く、底冷えするような寒さがあります。

内見時にはエアコンの有無を確認し、ない場合には取り付けてもらえるか相談しましょう。

⑤日当たり

日当たりのいい部屋は冬場はいいですが、夏場は地獄です。

特に、日当たりの良いペントハウス(最上階)ともなると、エアコンをフル稼働してやっと凌げるレベル。

日本人の感覚からすると多少、奇妙に思われるかもしれませんが、マルタ人はあえて日当たりの悪い部屋(極端に日当たりが悪い物件は除く)を選ぶ傾向にあります。

極端に日当たりの良い部屋は避けるのが無難かもしれません。

⑥カビ

マルタ共和国は夏はカラッと乾燥しているものの、冬場は湿度が高くカビが生えやすい季節となります。

内見時に「明らかにカビが目立つ物件」「カビ臭い物件」は避けるのが無難でしょう。

ちなみに、マルタ在住の日本人の間でも、「カビ問題」はよく話題に上がります。

内見時には分からなくとも、冬場になるとカビの浸食が目立つようになりがち。

入居後は「定期的な換気」「防カビ剤の使用」などを心がけ、それでもカビが生えてくるようであれば、大家に連絡してカビ除去の専門業者に連絡してもらいましょう。

入居時に必要な初期費用

入居時に必要な初期費用は以下の通りです。

  • デポジット:家賃1ヶ月分
  • 仲介手数料(エージェントを利用した場合):家賃0.5ヶ月分
  • 家賃:入居月分の家賃1ヶ月分

仮に、家賃800ユーロのアパートメントを借りるとすると…
デポジット(800ユーロ)+仲介手数料(400ユーロ)+家賃(800ユーロ)=2,000ユーロ
となります。

ちなみに、オランダなど一部の国では日本人に対する「デポジット詐欺(デポジットを収めたあと、大家とエージェントが飛ぶ)」などが横行しているようですが、マルタ共和国では聞いたことはありません。

ただ、可能性が0とは言い切れないので、信頼のおける大家やエージェントを見つけるようにしましょう。

家賃や水道光熱費の支払い方法

ユーロ紙幣の画像

当然のことながら、賃貸物件を契約したらコンスタントに家賃と水道光熱費を支払うことになります。

現金で手渡しするのも大家によっては可能ですが、毎月アポを取って会う必要があることを考えると、非常に嫌がられます。

また、換金手数料とATM手数料のことを考えると、現金利用のメリットはほぼありません。

そこでオススメしたいのが、「Revolut(レボリュート)」や「Wise(ワイズ)※旧:TransferWise」などの口座を持っておくことです。

筆者やマルタ在住日本人のほとんどは、上記のカードを利用して家賃や水道光熱費の支払い(オンライン送金)を行っています。

マルタ在住歴の長い方で、レボリュートを利用していない方は見たことがありません。

マルタ生活をする上で必須のものと言えるので、なるべく早く口座開設しておきましょう。

日本でも簡単に、無料でカードを作ることができます。

ちなみに、マルタ共和国では基本的に、水道光熱費は大家に支払うこととなっています。

水道光熱費の支払い頻度は、おおよそ2ヶ月に1回です。

関連記事:【移住者必見】マルタ渡航時に持っておきたいカード&口座【無料で開設可】

不動産の賃貸契約について~物件退去時のことまで考える~

引っ越しの画像

不動産の賃貸契約をする際には、物件退去時のことまで視野に入れて契約するのがオススメです。

基本的にマルタ共和国にて賃貸契約をする際には、「6ヶ月」か「1年」での契約になることがほとんどだと思われます。

ここで注意が必要なのが、契約期間満了月以前に退去する場合には、デポジットが返金されないことが多いという点です。

例えば、留学期間が8ヶ月だからと1年契約にしてしまうと、退去時にデポジットが返金されず、(家賃にもよりますが)大損してしまう可能性もあります。

また、移住する予定で引っ越したとしても、のっぴきならない理由で急きょマルタから日本へ帰国せざるを得ない状況になる可能性もあります。

不動産契約時には必ず、「契約期間」および「契約期間が満了する前に退去した場合でも、デポジットが返金されるかどうか」の確認をした方がいいでしょう。

例え、口頭で確認したとしても、メールやWhatsAppで再確認してスクリーンショットを撮り、文章として残しておきましょう

加えて、入居後に部屋の中や家具に大きな傷などを発見した場合には、あらかじめ写真を撮り、大家にメールなりWhatsAppなりで共有しておくと安心です。(退去時にデポジットから修繕費を引かれる可能性があるため)

【あるある10選】実際にマルタ共和国で賃貸物件を借りて住んだ経験談+口コミ

①シャワーでちょうどいい湯加減の温水を出すのが難しい。

②日当たりの良い部屋は冬場はいいが、夏場は灼熱地獄。エアコンを使わなければ、無料でサウナが楽しめる

③雨季は洪水で部屋が水浸し(グラウンド・フロア)

④カビの大量発生(特に、湿度の高い冬場)

⑤シェアフラットで同居人が退去。「人が減って、金に困っている」との完全なる大家都合での急な家賃値上げ(契約期間との兼ね合いアリ)

⑥Facebookグループにアップされる物件の8割は「釣り」案件

⑦まだ人が住んでいるのに、ゴリゴリに内見者を連れてくる大家

⑧退去時に何かと理由を付け、入居時に預けたデポジットを返却しない大家

⑨光熱費が2ヶ月で300ユーロオーバー。原因は大家の契約変更手続き忘れ

⑩夏場は暑いのに、冬場は寒いアパートメント

まとめ

以上、マルタ共和国での家賃相場や、賃貸物件探しのコツについて紹介いたしました!

大変かもしれませんが、いっそのこと「チャレンジングで、貴重な体験をさせてもらえている」と開き直り、ポジティブに捉えてしまうと良いかと思います。

いい物件・大家に巡り合えることを願っています!

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